前回のブログで、新しい社会システムのキーワードとして「地方開疎」「グローカル」を挙げました。
これらを実現するために、政治が果たすべき役割を何回かに分けて書いていきます。
まず何よりも進めなければならないのは、明治以来の中央集権制度を大転換させる「抜本的な地方分権改革」です。
コロナ対応で露呈したのは、全国各地域によって感染症の拡大状況や経済事情等が全く違うのに、国に権限と財源が集中しており、且つ現場実務の大半を地方自治体が担っているため、地域の実情を無視した画一的で時間のかかる対応になってしまうという我が国の致命的な構造でした。このままでは確実に、COVID-19ウイルスの再流行や新たな感染症のパンデミックの際に同様の失敗を繰り返し、今度こそ甚大な被害を招きかねません。今回の危機が一旦収束したタイミングで、次の危機に備え現行法制度の枠内で地方自治体へのできる限りの権限と財源の移譲を行なうべきです。
中長期的にはさらに、「都市から地方へ」という人口動態の変化を促し対応するための、法改正(場合によっては憲法改正も)や税制改正(国税と地方税の配分見直し)を必要とする大改革を断行すべきです。「中央集権維持装置」である霞ヶ関の中央官庁を解体して、国には外交・防衛・マクロ経済政策のみを管轄として残し、他の領域については権限と財源に加えて「人間」、つまり国家公務員も含め地方自治体へ移管します。そうなると当然ですが、国会のスリム化も実施します。
広域自治体がミクロ経済政策まで管轄する形になるので、ダイナミックな施策を打てる一定の経済・財政規模が必要で、今の都道府県単位では明らかに小さいため道州制へ移行させます。基礎自治体はその地域の意思を最大限尊重し、住民に寄り添ったサービスを行なえる単位を維持すれば良いと考えます。
これくらい大胆かつ抜本的な改革を断行すれば、積年の課題である東京一極集中を打破して、多様性に富んだ「しなやかな地域」に支えられる強靭な国家へと我が国を進化発展させる事ができるでしょう。
次回は、グローカルな経済の在り方を中心に、さらに考察を深めてまいります。
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