6月で開院から丸1年を迎えた生駒市立病院。その初年度は、何と当初予想の5倍を超える約11億7500万円もの赤字を計上しました。
私が本ブログで何度も指摘してきた通り、甘すぎる経営見通しや地域医療機関との連携不足など、数々の失態が数字となって表れた形です。
まずは、下記資料をご覧ください。
これは昨年6月の開院から本年3月までの、月ごとの外来患者数・入院患者数等をまとめたものです。
当初の事業計画と比較して、平均で外来患者数が50%、入院患者数が41%という低過ぎる達成率となりました。
患者数の少なさは、病院収支を直撃します。続いて下記の平成27年度収支実績をご覧ください。
一番左下の数字、経常利益がマイナス11億7460.2万円となっています。
生駒市立病院は当初から苦しいスタートが予想されており、あらかじめ約2億1400万円の赤字見込みを立てていたにも拘らず、その5倍以上の大赤字を計上する結果となりました。
これら厳しい数字を受け、指定管理者である医療法人徳洲会は、平成28年度事業計画で予想数字を大幅に下げてきました。
下記資料をご覧ください。
外来患者数・入院患者数共に、なんと初年度計画の半分以下という数字を提示してきました。これでは引き続きの大赤字が大前提であり、実際に経常利益マイナス7億4000万円以上を最初から予想しているのです。
達成できても7億円以上の大赤字。こんなものを計画と呼べるでしょうか?
徳洲会から派遣されている今村正俊院長は、新聞記者の質問に対し、「経営の根幹が不十分で、強力に改善していく」と答えていますが、具体的に何をどう改善していくのかについては今もって全く示されていません。
以前にも指摘しましたが、生駒市は指定管理者である徳洲会との契約に、計画を達成できなかった時の違約金を設定していません。
これは山下真前市長のずさんな判断であると言わざるを得ません。
つまり、このまま生駒市立病院が赤字を垂れ流し続けた場合、もしくは経営難から徳洲会が撤退した場合、そのツケを生駒市民が背負わされる可能性があります。
生駒市立病院のずさんな経営状況を見過ごさず、手遅れになる前にとにかく早い段階で、病院のあり方そのものから抜本的に見直しの議論をすべきです。
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匿名 (土曜日, 17 9月 2016 22:10)
作った人、責任取って下さい!
さかもと大輔 (火曜日, 20 9月 2016 16:22)
コメントありがとうございました。
「作った人」である山下真前生駒市長は、責任を放棄して生駒を去りました。
山下前市長から後継指名を受け市長となった今の小紫雅史生駒市長は、この生駒市立病院の課題から逃げず、隠さず、真摯に対応していただきたいと思います。